エンブロイダリーレース工場の津田です。
刺しゅうレース屋さんのお仕事をしている者としては、ミナペルホネンは目が離せません。
東京に行ったついでに東京都現代美術館に足を運んでみました!
会期ギリギリ、セーフ。
ミナペルホネンが大好きな、またおしゃれな女性がたくさんおられました。
「かわいい〜」
「これ、私持ってる服!」
と撮影可能な部屋もあり、テンション上がりまくり。
もちろん神奈川レースさんのエンブロイダリーレース機の映像も流れており、観客はため息。
「へぇ〜こんな風に作られているんだ〜」
と皆さん見ておられましたが、私はなんとなく凝視できませんでした。
同業者にとってはくすぐったい物がいっぱい並んでいて、
ゲージのマスが印刷されているトレーシングペーパー。
レースの図面(ドラフトといいます)。
2インチ、C40/2等の指図書。
渡り糸がついたサンプル生地。
ああ、どこも一緒なんだなぁ。
とホッとした気分の後に、機械は同じはずなのに何が違うのだと、襲いかかってくる不安。
館内、所々にちりばめられている皆川さんの言葉。
こだわりすぎる刺しゅうへの指示。
ブースを進めるうちに感じとる想い。
うちなら、こここんな風にステッチ入れてしまうんだろうな。
こんな所、こだわったことないな。
それとは別に、
だってそんなステッチにこだわったらメーター単価上がってしまうし。
そこにこだわるお客さんいないし。
アパレル業界の現実と理想が行ったり来たり。
ものづくりへのこだわりはどこへ行ってしまったんだろう。
見終わって、熱い心のまま、そして答えが見つからないまま、帰ってきました。
お時間ある方はぜひ見に行かれてください〜。