エンブロイダリーレースの見分け方のヒント

エンブロイダリーレースはもちろん、ラッセルレースもリバーレースも裏表、あります。

「え、でもどっちが表とかわかんないし!」

という方でしたら特に気にされなくても構わないと私は思います。
遠くから見て判断できるものではないので、自分で楽しむものや気さくな方にあげるものでも、キレイな表面だなぁと思う方を「おもて」としてつけてください。
大丈夫!

できるなら表と判断して、正しく表で縫いつけたい!
販売するものだし、間違っていたら恥ずかしい!

なんて方は少しヒントをお教えしますよ。

「表糸」と「裏糸」を使い分けており、表面をふっくらさせたいため太い糸を使用しています。(弊社では綿糸でいう20番、30番、40番、60番です)
家庭ミシンとは違い、裏糸は表糸とは違う細い番手(70番前後)を使っています。表糸の番手が変わっても裏糸の番手を変えることはありません。
裏糸の番手は糸の会社ごとに若干違いはあるものの、太くてざっくりした糸はないのです。

裏糸の違いといったら「綿糸」か「ポリエステル」か又その色糸かということです。
たくさん量産する海外の高速レース機なんかはポリエステル糸が多いかもしれませんね。
高速で刺繍されるため糸のテンションが高く、切れにくい強い糸が求められるからです。

弊社のレースの大半は、裏糸が綿糸です。
機械の回転数を落としてふっくら刺繍をしているため、柔らかい綿糸の裏糸の方が合うからです。(ただし、色のレースに関しては裏糸がポリエステルの場合がありますので、ご注意ください)

前置きが長くなりましたが、裏糸は細いのでレースの裏面は華奢な作りに感じられるんですね。

スズランのケミカルアップリケ 02370-C【左右1ペア】495円(税込)

細いかがりの刺繍よりも、「面」として糸が盛っているところがわかりやすいです。
ちょっと作りが雑というとアレなんですが。。

工場の社員も違いはちゃんと見分けつけられるのですが、たくさんあると「あれ、これどっち表?」なんてこともあるので、それぐらい難しいものだと言う事です。

柄によってわかりにくい、わかりやすいがあるので、わかりやすい柄ではわかるようになりたいものです。
もう一つ画像を用意しました。

蝶のケミカルアップリケ 34028-C【1枚】83円(税込)

この柄は「面」が少ない柄なので、表がわかりづらい柄です。
この柄の中で糸の盛りがある体の部分で判断します。
なんかジャミジャミっとした(方言?)細い糸が見えませんか?
あとふっくらしていなくて、「平らな」感じ、しませんか?

難しいですね〜。

私でもうっかりしていたら間違えます(笑)

でもそんなものなので、このレベルになると間違って縫いつけてもわかりません。
指摘される方はきっとレース工場で働いていた方もしれません。

趣味なら間違っても大丈夫

手芸用品の販売サイトでも裏表間違って撮影されている商品も見ますからね。
レース屋さんのサイトは間違って欲しくないですが、手芸屋さんもたくさん資材を扱っておられるのでパソコンを担当しているような若い子にはまだまだ勉強が足りないのかもしれませんね。

当店で購入されるとき、備考欄に書いていただければ「表」シール貼らせていただきます。
買ってからでも、表裏わからなくなったとき、TwitterやInstagramのDMで画像つきでお知らせください。画像で判断できればお教えしますよ〜。(エンブロイダリーレースに限りますが)

着物業界で「着物警察」と言われる方がいるように、ハンドメイドや洋裁でレースの裏表が間違っていても指摘されるのはどうかな、と思います。キレイに見えてるからいいじゃない〜。
レース屋さんがこう言うのもなんですが、もっと気軽にレースを使ってもらいたいです〜。

しかし服を企画されているメーカーさんやデザイナーさん、縫製工場さんの新人さんはぜひ覚えてください。販売されるものは正しくつけて欲しいですよね。

どうでしたか?
大した事なかったですか?
あまり教えてもらわない事なのでブログにしてみました〜。
ではまた〜。